クラフトビールの街 ぬまづ

沼津は干物などの水産加工の町というイメージがありますが、実はクラフトビールの街なのです。マスターズブリューイングは市内で5番目の醸造所。ベアードビール、沼津クラフト、リパブリューなどなど…。近隣の御殿場にはあの有名な御殿場高原ビール。他にも反射炉ビール、伊豆の国ビール…。

富士山伏流水で水が美味いんだから美味いビールの名産地になるは必然なのです。
我々マスターズブリューイングもこの富士山伏流水仕込みのビールで、この辺一帯がビールの街のと呼ばれるようになるように精進していきます。

ビールは主原料は麦芽です。麦芽を粉砕し水分を加え温めて麦芽糖を作る。これがビール作りの第一歩。いや、麦芽に水分を加えると言うよりは、大量の水に粉砕麦芽を加えると言った方がいいかもしれない。ビールの主原料は水といってもいいかもしれない。美味い水こそが、美味いビールへの第一歩とも言える。

麦芽にも種類があり、その麦芽をローストするかしないかでも全く違うものに…。140度のオーブンで焼くのか150度にするのか…。何分焼くのか…。

小麦も混ぜるのか、コーンやスターチを入れるのか。他の穀類を入れて糖を作ればまた違うものに…。
出来た糖をろ過して煮沸。さあ、どのタイミングでホップを入れよう…。ホップは長く煮沸すればα酸β酸がの苦味が効いた味に。短くすれば香りが強く…。何種類もあるホップのなにをチョイスする?何種類入れる?苦味と香りはビールの命。醸造家の思い通りの結果が出せるかどうかの不安と出来上がりへの期待。

さていよいよ発酵だ。数ある酵母の中から、狙った風味を醸し出してくれそうな酵母を選ぶ。ここまでが醸造家の役割。ここから先は我々の手を離れ、仕事を酵母に引き継ぎひたすら待つ。
待つこと4週間前後。酵母が麦芽糖をアルコールと二酸化炭素に分解してビールを作ってくれる。醸造家が作るのではない。

我々はこの若ビールを堪能すればいい。

若ビールは発酵タンクから貯酒タンクへ。あるいは樽や缶へ。熟成の始まりである。
濾過も加熱もしない昔ながら生のクラフトビールなので日々味は変わるのが当然。低温下で熟成し、旨味が最大限になるのを待つ。ピークを超えて熟成したビールを好む強者もいれば、旨味よりもスッキリ感を求め若ビールばかり飲む人だっている。それぞれが自分の楽しみ方を探すのもクラフトビールの醍醐味なんだ。